概要

所在地

〒010-0511 男鹿市船川港船川字化世沢176

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アクセス方法 JR男鹿駅より徒歩で10分
見学可能時間 AM10:00~PM4:00 受入最大人数40名
連絡先 TEL:0185-24-3597
FAX:0185-23-3161
E-mail:info@shottsuru.jp
予約の要否 要 前もって電話・メール等での予約必要

歴史

創業昭和5年(1930年)味噌・醤油・漬物・しょっつる製造業 秋田県の男鹿半島に古くから伝わる魚醤「しょっつる」を、国産100%で製造し商品化を行った。 ■神の魚「鰰(ハタハタ)」 秋田県の魚であるハタハタは世界で唯一の「神の魚」である。実際に漢字で魚偏に神と書く。12月の始め、雷のとどろく荒海から湧き出すかのごとく現れ、浜はハタハタで埋め尽くされる。その有様は秋田の漁民への神からの贈り物、まさしく「神の魚」になる瞬間だった。 県民は、この一時に授かるハタハタを長期に食するため、箱単位で購入し、塩蔵や干物、魚醤に加工し、この魚のすべてを利用しつくしてきた。生のハタハタをその魚醤「しょっつる」で煮るという「しょっつる鍋」は、まさにハタハタ食文化の代表である。 しかし、1970年頃から漁の技術向上もあいまって、漁獲量は激減。ハタハタは一時期高級魚と言われるようになってしまった。そこで秋田県の漁業者たちは1992年から3年間にわたる自主禁漁と漁獲制限による資源保護を行い、ハタハタ漁を復活させた。完全禁漁という苦渋の決断を漁師自ら行った希有な事例として世界から高く評価されている。 ところが、漁獲量は復活したものの、今度は県民の伝統的な食文化が後退してハタハタの消費量が減ったため、魚価が低迷し豊漁貧乏になるという皮肉な状況に陥ってしまった。 こうした中で、秋田を代表するハタハタ漁業の持続的発展と食文化の復興と創造のために、伝統的な魚醤である『しょっつる』の再評価を高めて、新たな加工品開発、料理法開発、販路拡大等を通じた消費拡大を行うことが急務と考えた。

■しょっつる復活のストーリー 秋田の鍋物「しょっつる鍋」に欠かせないのが、魚醤「しょっつる」である。 石川県の「いしる」、香川県の「いかなご醤油」とともに、日本三大魚醤の一つとされる。 魚醤は塩だけで魚を漬け込み、定期的に攪拌しながら内臓にあるたんぱく質分解酵素(プロターゼ)の作用で発酵させた調味料であり、アミノ酸が結合したペプチドを穀物より多く含むために深く持続する独特の「こく味」を感じさせる万能調味料である。ゆえにしょっつるの基本は県魚であるハタハタと天日塩だけを使った、昔ながらの製法で自然の力を上手に調整するのみでこそ、本来のしょっつると考えている。 県内にはしょっつるのメーカーは数社あり、その多くは醤油麹を使用し、酵素剤・酵母による酵素分解促進による製造技術で比較的短い時間で低塩化し、うまみ成分等を取出す方法をとっている。また中には、ナンプラー・ニョクマムを輸入し、調味料を加え調整したものを魚醤として製品化している例もある。過去にこれらの製品を食したとき、自分の目指すしょっつるとかけ離れていた。 いま、時間をかけても、確固としたしょっつるを後世に残さなければ、秋田のしょっつるは幻と消え、ハタハタの食文化は、守れなくなる。 この危機感が商品作りへと一歩前へと突き動かした。 1983年、商品化に際して原料は地元の目の前で水揚げされた新鮮なハタハタと天日塩だけ、他のものは、一切入れないと決めた。 試作と失敗を繰り返していた頃、ハタハタの全面禁漁が始まった。悪条件の中だったが、1997年から食品研究機関の専門家と試験醸造を開始。3年後に理想の秋田しょっつるが完成した。

製造方法や取扱商品の特徴

《製造方法》
諸井醸造のしょっつるは、最低でも3年間、鰰(はたはた)と塩が、琥珀色のしょっつるに変身するまで、じっくりと時間をかける。 新鮮なはたはたを天日塩と一緒に漬け、仕込み樽に入れ重石をして、ときどき櫂棒でかき回して空気を入れるだけ。他には基本的に何もしない。ただし醸造期間中は、発酵環境に細心の注意を払う必要があり、まったくの手放しというわけにはいかない。発酵がより良い状態で行われる様に手助けし、自然の営みを見守り、ただひたすらに待つ以外にない。3年経った状態で、骨は底に沈み、もろみ部分は表層に浮き、間に琥珀色のしょっつると、三層に分かれている。この琥珀色のしょっつるを瓶詰して出荷する。市場に多く出回っている生臭く癖のあるしょっつる魚醤と一線を画す、臭みがなく香り高いしょっつるである。しょっつる鍋や貝焼き(かやき)にはもちろん、イタリアンにも良く合う。それもそのはず、もろみの味はアンチョビに極めて近い風味となっている。 また、世界でも例のない樽で活かしたまま10年熟成させた珠玉のしょっつる「10年熟仙」も製品化している。

《取扱商品》
秋田しょっつる

訪問時の見どころ

仕込み蔵内の見学等を行う。